私は、ゴルファーのコンディショニングケアを行う前に必ずカウンセリングをします。そこで、現在の体の状態とこれまでの経緯をお聞きします。それから立ち姿とスイングを見せてもらいます。このことで疲労している部分を予測してからケアに入ります。その中で多いと感じる腰、股関節、脚、足首の痛み、この原因の一つはスイング中のスウェーにあるのではないかと考えます。
ゴルフスイング スウェーについて
(例)
ゴルフ専門家の方々から見ると、原因は幾つかあると思います。
スウェー(前後、左右、上下のブレ)する部位は人によってそれぞれです。骨盤の高さの人もいれば、膝、足首、その中間。今回は前後左右の場合について、原因を骨格や関節、筋肉などの使い方から考えてみます。
前後のスウェー
スイングは、体の前で構えたクラブを体の後ろまで振り上げて、体の前に振り下ろし、体の後ろに振り上げる。これを、体の前傾をキープしながら行わなくてはなりません。この時に、バランスが崩れてしまい、つんのめったり、起き上がったりします。腕主体のスイングになるとスウェーが起こりやすいようです。
左右のスウェー
スイングは、体の正面で構えたクラブを右サイドへ移動させ、正面に戻し、左サイドへ移動させる。この時に立体的に回転するところ、各関節の動きが不自然で平面的になっているために、体がスイング軸を外れて必要以上に左右に動いてしまいます。これも腕主体のスイングでは特に起こりやすいようです。
改善方法は
下半身を使えるように、体幹を鍛える、走り込みをする、バランス感覚を養う、頭や顔を押さえてもらいスイングをする、足元で傾斜のある器具を踏んでスイングするなどが、軸のブレを抑える予防方法として多く用いられます。
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これに私が一つプラスするとしたら、足裏の使い方です。地球には重力があります。人は地面で生活しています。地面を使わないと動くことが出来ません。人自身が動きを作る時に地面と接触している部分は足裏です。足裏は、只の面やツボ押しの部分ではなく、動力を生む部位です。
ここには、足底筋群と呼ばれる10個の筋肉と26個の骨があります。これらを鍛えるのに、つま先立ちになったり、踏んだタオルを指で引いてみたりというエクセサイズがあります。
足裏の構造を知り、意識的に使うこと
足裏を意識せずに長年ベタベタと使っていると、筋肉が柔軟に使われず硬化してしまいます。これにより、足底筋膜炎や足首、ふくらはぎなどの痛みを起こす可能性が高くなるようです。
筋肉は動かさないと硬くなります。スポーツ選手には死活問題です。年齢が上がるにつれて、これを意識しながら積極的に行わないといけません。
では、足裏の何を意識して使えばいいのでしょう?私が感じた足裏の重要ポイントはこの3点です。
重心位置
立位時のニュートラルバランス。その中心位置は上記の黄色の部分です。ここを中心にして体重を預けバランスを取ります。
これが、つま先寄りに体重がかかった人は、アドレスを取りワッグルをすると、普段のつま先体重から更につま先体重になり、スイングでのつんのめり、起き上がりの原因になります。また、つま先寄りに体重がかかっていると、反り腰や猫背になりやすく体を痛めてしまいます。
重心位置を理解して意識することは、姿勢も美しくなり健康にも繋がるという利点もあります。
母指球位置
親指の付け根には、たこ焼きを上から見たような形の部分があります。これが母指球です。この部分を、動作のきっかけ、踏み込み時の軸、回転の中心として積極的に使います。これによって、足底筋が伸縮しやすくなり、バランスが安定し、動きに躍動感が出せます。
スイングは体の回転がいかにスムーズに出来るも重要なポイントです。天から見たゴルフの回転は丸、母指球も丸。母指球の丸を中心に、それを踏みながら体を回してみて下さい。状態の力みも抜けて楽に回転が出来ます。
踵
踵に体重をかける意識。これがある方はあまりいないようです。足裏を見てまじまじみると、踵が一番強そうに見えます。その次は母指球。これらをつないで伸縮して躍動させているのが足底筋。踵にも意識をもって体重を乗せたり踏んだりしてみて下さい。
足裏のバランスを考えた、アドレスの取り方
足裏の体重移動の順番は?
- 始めに重心位置に体重を預けた立位になります
- 臀部をしっかり後ろに出しながらの前傾で踵に体重になります
- 膝の脱力で体重は、また重心位置に戻ってきます
- 母指球中心のワッグルで、やや母指球体重になります
これで脱力しながら躍動して、地面が踏める状態になりました。
スウェーが起こる場合の、足裏の体重移動
左右に移動する
これは、典型的なスウェーの原因です。この時、体は左右に振られています。また、小指側に体重が逃げると足元はめくれ、足首、ふくらはぎ、膝、大腿部、股関節にいらない負担がかかります。これでは、スイングは元より、飛距離も球筋もスコアも安定しません。
外側体重
ガニ股の方に多いこの場合、外側の面に体重がかかった状態でスイングするので、体は左右に流れ、足元はめくれ、足首、ふくらはぎ、膝、大腿部、股関節に無理な負担がかかります。
前後の場合
この場合の注意点ですが、前後に体重が移動する時に、骨盤の中心もつられて移動しないように気をつけて下さい。
母指球に足裏の軸の意識を持って
私がオススメするスウェーを予防する方法は、母指球を意識的に使いながら体を回転させる方法です。回転の芯は出来るだけ細い方が強く勢いがつきます。
足裏に意識がないと、左のように軸が三角形になりその中を移動してしまい安定しません。右のように母指球に軸を決めると、丸が軸になり回転のイメージが出しやすく体のブレも軽減します。母指球を丸く使います。
ちなみに上半身の軸は背骨に置くと回転しやすくなります。背骨の断面も丸く使えます。
回転=丸くのイメージです。
これが分かるようになれば、回転スピードが上がりますのでそれに振られないようにしないといけなくなります。ここでやっと鍛えてきた体幹が生きてきます。
母指球を常に意識するには
とは言え「意識しようとするけど忘れる」と思った方はいませんか?そう、忘れるんです。「そんなこと考えてゴルフをしていたらバラバラになる」これもそのとおりです。
なので、母指球を感じられて自然に意識付け出来る方法を考えた結果、常に母指球と重心位置、踵を感じられるインソールを作りました。これは、只インソールに乗っているものではなく、意識を持って積極的に足裏を使うためのインソールです。
乗せられている受け身のインソール
足裏を感じて使う攻めのインソール
母指球を感じるて使うインソール
足裏を“学べるインソール”その構造は、母指球を正しく使うためには、自然な重心位置と踵位置を感じることも必要です。母指球、重心位置、踵、この3点に重さがかかり、これをを意識出来るようにしています。
この学びのインソールで、足裏の3点を感じて姿勢を正しからアドレスに入ります。母指球位置を確かめて、それを回転軸にする意識でスイングすることで、軸が安定して左右に流れるスウェーが激減します。
あるコーチのお話しでは、クラブチャンピオンを取るほどのレッスン生のボディーバランスが圧倒的に良くなったとのことです。
また、これにより回転が外に流れず内側で行えるようになるために、体幹が使いやすくなります。
まとめ
「足裏の3点を感じて姿勢を正してから、母指球を積極的に使う」皆さん、これをスウェーの予防に是非加えて下さい。
阿立祐士
神戸中央整体院長|カラダの使い方研究家|健康グッズ発明家|コンディショニングトレーナー|整体師|スポーツ・美容・健康など多岐にわたる分野において体のコンディショニングを行う|筋肉柔軟化のスペシャリスト|蝉川泰果プロ帯同トレーナー|JOM株式会社代表 | ミスユニバース グランド ユニバーシティ 兵庫県大会審査員 | プロゴルファースポンサー
健康関連商品監修致します
当サイト「カラダマニュアル」は、長年整体師として現場で遭遇してきた経験を基礎に、筋肉から考えた体の動きや仕組みにフォーカスして健康に役立つ内容をお伝えするものです。
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